「生徒も増えてきて売上も伸びてきたし、そろそろ法人化を考えている」「税理士から法人化を勧められた」—個人事業として教室を運営してきたオーナーが、次のステップとして法人化を検討するタイミングがあります。
法人化のメリットとして語られるのは、節税効果や社会的信頼度の向上です。でも、法人化に伴って労務面でも対応が必要になることは、意外と見落とされがちです。
今日は、習い事教室・学習塾などが法人化するときに、労務面で整えておくべきことをお伝えします。
法人化すると労務面で何が変わるのか
個人事業から法人になると、労務面でいくつかの変化が生じます。
①社会保険の加入が原則義務になる
個人事業の場合、常時5人未満の従業員であれば社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は任意です。でも法人になると、従業員数に関係なく、代表者も含めて社会保険への加入が原則義務になります。
これは見落としやすいポイントです。「法人化したけど社会保険の手続きをしていなかった」というケースは実際にあります。法人設立と同時に、社会保険の加入手続きが必要です。
②雇用保険や労災保険の法人化の手続きも必要になる
個人事業主時代に労災や雇用保険にすでに加入していれば、手続きが必要になります。「個人事業主時代に入っていたから大丈夫」ではなく、ひとつひとつ手続きを確認しましょう。
③就業規則の整備を検討する
個人事業主の場合はどうしても「個人オーナーと手伝ってくれる人」という感覚になりがちです。法人化すると「会社と従業員」という関係に変わります。このタイミングで就業規則を整えておくと、後々のトラブルを防げます。
常時10人以上のスタッフがいる場合は個人事業主、法人問わず、作成・届出が義務ですが、従業員数が10人未満でも法人化のタイミングで簡単なルールを書面にしておくことをおすすめします。
法人化前に確認しておきたいこと
法人化する前に、今の状態を整理しておくと手続きがスムーズになります。
スタッフの雇用形態を整理する
個人事業のときに業務委託で動いてもらっていたスタッフを、法人化後も同じ形で継続するのか、雇用契約に切り替えるのかを事前に決めておきましょう。実態に合わない契約形態のまま法人化すると、後から修正が大変になります。
給与体系を見直す
法人化を機に、給与体系・昇給基準・賞与の有無を整理しておくことをおすすめします。「なんとなく決めていた報酬」を書面化するよい機会です。
労働条件通知書を整備する
法人化後は、すべてのスタッフに対して労働条件通知書を交付する必要があります。個人事業のときに口頭で決めていた条件がある場合は、このタイミングで書面に落とし込んでおきましょう。
法人化のタイミングを逃さないために
法人化の手続きは、税理士に依頼するケースが多いです。でも、労務面の手続きは社労士の領域です。税理士と社労士が連携して動くことで、法人化をスムーズに進められます。
「税理士から法人化を勧められたけど、労務面のことが不安」「法人化後にスタッフを増やしたいけど何から始めればいいかわからない」—そういった段階からでも、お気軽にご相談ください。
京都・宇治を拠点に、オンラインで全国対応しています。法人化のタイミングに合わせて、労務面の整備を一緒に進めましょう。
